東京地判平28・1・25自保1969号54項

54歳の女子介護職員につき、円滑な関係を構築し円滑な意思疎通が実現するうえで支障が生じるとして逸失利益を認めた事例

平成23年3月の交通事故により、頭部外傷、顔面及び頭部挫創等の傷害を負い、前額部左に15cm×2mmの瘢痕と同部分に知的違和感の後遺障害(7級12号)を残し、た女性・介護職員(固定時54歳)につき、障碍者やその家族等と接する機会が多いので、上記瘢痕が残っており、円滑な関係を構築し円滑な意思疎通を実現するうえで支障が生じるというべきであるが、特に減収がなく、化粧や髪型等によって瘢痕はある程度目立たなくすることができることに照らし、業務における上記支障は限定的であり、知的違和感があることを考慮しても、労働喪失率は10%が相当であるとし、逸失利益として67歳までの13年間で592万円を認め、後遺障害慰謝料として1,000万円を認めた。

逸失利益の計算として

逸失利益とは、後遺障害が残ったことで、本来受け取れるはずだった利益のことです。
計算式は【逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×中間利息控除係数】で求めます。

592万円(逸失利益) = 基礎収入 × 10%(労働能力喪失率)× 14.6430(13年間のライプニッツ率)

労働能力喪失期間(年) ライプニッツ係数
10 7.7217
11 8.3064
12 8.8633
13 9.3936
14 9.8986
15 10.3797
16 10.8378
17 11.2741
18 11.6896
19 12.0853
20 12.4622

後遺症慰謝料について

7級12号の後遺障害慰謝料は、下記表では、裁判所基準では1,000万円となり本件も1,000万円の裁判所基準となったものです。

自賠責保険基準では、409万円で裁判所基準の差額が591万円の差額となります。

等級 自賠責保険基準 裁判所基準
第1級 1,100万円 2,800万円
第2級 958万円 2,370万円
第3級 829万円 1,990万円
第4級 712万円 1,670万円
第5級 599万円 1,400万円
第6級 498万円 1,180万円
第7級 409万円 1,000万円
第8級 324万円 830万円
第9級 245万円 690万円
第10級 187万円 550万円
第11級 135万円 420万円
第12級 93万円 290万円
第13級 57万円 180万円
第14級 32万円 110万円

「赤い本より」

自賠責基準は、交通事故被害者に最小限の補償をするために設けられた慰謝料の基準です。

裁判所基準は、裁判所の判例などを基に、弁護士が損害賠償請求をする際に目安となるよう作成された基準であり、慰謝料に関する3つの基準の中で高めになっています。金額はあくまでも請求の目安で、裁判もこの金額で認められるわけではないことを理解しておいて下さい。

弁護士に依頼するメリット

上記判例では、弁護士に依頼し労働能力喪失率10%と、逸失利益として67歳までの13年間592万円余を認め、後遺症慰謝料1,000万円を認めたものです。

弁護士に依頼すれば、裁判所への代理人出廷や保険会社との交渉も弁護士が行ってくれます。交通事故のあらゆる被害で損をしないためには、弁護士に依頼されることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?慰謝料については、自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準の3種類があります。保険会社は、費用負担が少ない保険会社独自の任意保険基準で示談金の提案がありますので、金額が妥当なのか?初めての事故などで、分からないと思います。こんな場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士相談費用が無料の掲載事務所を多く掲載していますのでご安心下さい。まずは、弁護士に相談しましょう!

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