東京地判平18・12・25自保1714号2項

本件事故で負った両眼滑車神経麻͡痺による複視について、被害者が従事していた職種等を考慮して、自賠責の労働能力喪失率表以上の40%の労働能力喪失率を認めた事例

被害者(女性・固定時50歳の看護師)が自転車で交差点を直進中、左方道路から進入してきた加害車両に衝突され、被害者が転倒した事故。自賠責保険では併合12級(佐肩疼痛14級10号等)が認定されている。判決では、自賠責の労働力喪失率表は、被害者が従事する職種等を考慮しない一般的なもので、個々の具体的なケースにおいて、同表に定めた喪失率が増減する場合もあり得るとして、本件被害者の看護師という職業に鑑みると、眼の異常がその業務遂行に及ぼす影響が多大であるといえ、実際に退職も余儀なくされたこと、実際に生命保険のパート外交員、コンビニのアルバイトでの収入を得るにとどまったいること等を考慮し、本件事故の後遺障害によって、労働能力を40%喪失したことを認めた。また、眼の障害が日常生活に及ぼす様々な支障を考慮して、後遺障害慰謝料として、800万円を認めた

労働力喪失率表

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
第1級 100/100 第8級 45/100
第2級 100/100 第9級 35/100
第3級 100/100 第10級 27/100
第4級 92/100 第11級 20/100
第5級 79/100 第12級 14/100
第6級 67/100 第13級 9/100
第7級 56/100 第14級 5/100

後遺障害第12級の場合、一般的の労働能力喪失率は上記では14/100となるが、本件では14%→40%を認めたものです。

後遺症慰謝料について

第12級の後遺障害慰謝料は、下記表では、裁判所基準では290万円ですが、本件は800万円を認めたものです。

等級 自賠責保険基準 裁判所基準
第1級 1,100万円 2,800万円
第2級 958万円 2,370万円
第3級 829万円 1,990万円
第4級 712万円 1,670万円
第5級 599万円 1,400万円
第6級 498万円 1,180万円
第7級 409万円 1,000万円
第8級 324万円 830万円
第9級 245万円 690万円
第10級 187万円 550万円
第11級 135万円 420万円
第12級 93万円 290万円
第13級 57万円 180万円
第14級 32万円 110万円

「赤い本より」

自賠責基準は、交通事故被害者に最小限の補償をするために設けられた慰謝料の基準です。

裁判所基準は、裁判所の判例などを基に、弁護士が損害賠償請求をする際に目安となるよう作成された基準であり、慰謝料に関する3つの基準の中で高めになっています。金額はあくまでも請求の目安で、裁判もこの金額で認められるわけではないことを理解しておいて下さい。

弁護士に依頼するメリット

上記判例では、弁護士に依頼し労働能力喪失率40%と、後遺症慰謝料800万円を認めたものです。

弁護士に依頼すれば、裁判所への代理人出廷や保険会社との交渉も弁護士が行ってくれます。交通事故のあらゆる被害で損をしないためには、弁護士に依頼されることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?労働能力喪失率のアップや慰謝料のアップについて、保険会社は、費用負担が少ない示談金の提案がありますので、金額が妥当なのか?初めての事故などで、分からないと思います。こんな場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士相談費用が無料の掲載事務所を多く掲載していますのでご安心下さい。まずは、弁護士に相談しましょう!

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