東京地判平22・7・22交民43巻4号911項・自保1831号94項

咀嚼機能障害について、逸失利益が認められ、歯牙障害について将来のインプラント治療費が認められた事例

女性(事故時15歳・固定時18歳)が自転車を運転し、渋滞で停止していた車列の間を抜けて横断しようとしたところ、追越しのために反対車線を時速40ないし50kmで走行してきた大型自動二輪車と衝突した事故で、左肺血気胸、顔面多発骨折、顔面挫創、上下顎骨骨折、8歯欠損、左大腿骨骨幹部骨折の傷害を負い、歯牙障害(12級3級)、咀嚼機能障害、開口障害(12級相当)の併合11級を認定したが、咀嚼機能障害、開口障害について、咀嚼に相当時間を要しており、これが労働時間に影響することが考えられがその程度はそれほど大きくないとして、労働能力喪失率を5%(等級基準では20%)症状固定時の賃金センサス女子学歴計全年齢平均賃金を基礎とし、19歳で定時制高校を卒業してから67歳までの48年間につき後遺障害逸失利益を算定した。

また、女性は交通事故により8歯欠損したが、20歳頃にインプラント治療をするのが相当であるが、被害者が22歳となった現時点にあいてもインプラント治療を行っていないことから、現時点では治療費が値上がりしているものの、それは症状固定後におけることであるから、症状固定時の治療費により、かつ、症状固定日から4年経過しているためその間の中間利息を控除するのが相当であるとして、将来のインプラント治療費460万4254円を認めた。

後遺障害と労働力喪失率表

後遺障害第11級の場合、一般的の労働能力喪失率は下記では20/100となりますが、本件は20%から5%の評価となったものです。

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
第1級 100/100 第8級 45/100
第2級 100/100 第9級 35/100
第3級 100/100 第10級 27/100
第4級 92/100 第11級 20/100
第5級 79/100 第12級 14/100
第6級 67/100 第13級 9/100
第7級 56/100 第14級 5/100

後遺障害の慰謝料

第11級の後遺障害慰謝料は、下記表では、裁判所基準では420万円となります。

等級 自賠責保険基準 裁判所基準
第1級 1,100万円 2,800万円
第2級 958万円 2,370万円
第3級 829万円 1,990万円
第4級 712万円 1,670万円
第5級 599万円 1,400万円
第6級 498万円 1,180万円
第7級 409万円 1,000万円
第8級 324万円 830万円
第9級 245万円 690万円
第10級 187万円 550万円
第11級 135万円 420万円
第12級 93万円 290万円
第13級 57万円 180万円
第14級 32万円 110万円

「赤い本より」

自賠責基準は、交通事故被害者に最小限の補償をするために設けられた慰謝料の基準です。

裁判所基準は、裁判所の判例などを基に、弁護士が損害賠償請求をする際に目安となるよう作成された基準であり、慰謝料に関する3つの基準の中で高めになっています。金額はあくまでも請求の目安で、裁判もこの金額で認められるわけではないことを理解しておいて下さい。

(注)
・上記金額には、入通院治療費等と休業補償などは含まれておりません。
・過失相殺はないものとします。
・上記内容の後遺障害慰謝料は、東京地判平22・7・22の原告とは無関係となります。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すれば、裁判所への代理人出廷や保険会社との交渉も弁護士が行ってくれます。交通事故のあらゆる被害で損をしないためには、弁護士に依頼されることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?慰謝料については、保険会社から費用負担が少ない示談金の提案がありますので、金額が妥当なのか?初めての事故などで、分からないと思います。こんな場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士相談費用が無料の掲載事務所を多く掲載していますのでご安心下さい。まずは、弁護士に相談しましょう!

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