東京地判平22・5・13交民43巻3号591項・自保1832号139項

自賠責非該当につき、意識障害、画像上の異常所見、身体機能障害や気分障害等が認められるとして7級4号の高次脳機能障害を認めた事例

交差点を自動二輪車で直進中に右方道路から進行してきた普通貨物自動車に衝突し、約1年6か月後に症状固定し自賠責で右顔面部の外貌醜状(12級13号・当時)、右眼視野障害(9級3号)、高次脳機能障害は非該当、併合8級と認定された会社員(男性・固定時50歳)につき、少なくとも事故後から6時間程度は軽度の意識障害があり、MRI画像によれば脳の病変や脳挫傷を疑う所見があり、物忘れや新しいことの学習障害、複数の作業を並行処理する能力の障害、集中力等の低下、易怒性、多弁といった性格上の変化がみられることから、本件事故により脳損傷を受け体幹機能障害、失調症、巧緻性低下等の身体機能障害と記銘力障害や気分障害等の高次脳機能障害が残存したと認定し、原告が訴訟の尋問において終始質問の趣旨が正確に把握し、これに対して回答し、その内容も首尾一貫していること等から、神経系統の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないものとして7級4号と認定し、身体機能障害と合わせて併合6級として67%の労働能力喪失を認めた

後遺障害と労働力喪失率表

当初、後遺障害第8級の場合、一般的の労働能力喪失率は下記では45/100となります、本件は後遺障害併合8等から併合6級と認定され、級表の定めるとおりの労働能力喪失率が45%から67%認定された事例となったものです。

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
第1級 100/100 第8級 45/100
第2級 100/100 第9級 35/100
第3級 100/100 第10級 27/100
第4級 92/100 第11級 20/100
第5級 79/100 第12級 14/100
第6級 67/100 第13級 9/100
第7級 56/100 第14級 5/100

後遺障害の慰謝料

併合8級から併合6級への後遺障害慰謝料は、下記表では、裁判所基準では8級830万円・6級では1,180万円となります。

等級 自賠責保険基準 裁判所基準
第1級 1,100万円 2,800万円
第2級 958万円 2,370万円
第3級 829万円 1,990万円
第4級 712万円 1,670万円
第5級 599万円 1,400万円
第6級 498万円 1,180万円
第7級 409万円 1,000万円
第8級 324万円 830万円
第9級 245万円 690万円
第10級 187万円 550万円
第11級 135万円 420万円
第12級 93万円 290万円
第13級 57万円 180万円
第14級 32万円 110万円

「赤い本より」

自賠責基準は、交通事故被害者に最小限の補償をするために設けられた慰謝料の基準です。

裁判所基準は、裁判所の判例などを基に、弁護士が損害賠償請求をする際に目安となるよう作成された基準であり、慰謝料に関する3つの基準の中で高めになっています。金額はあくまでも請求の目安で、裁判もこの金額で認められるわけではないことを理解しておいて下さい。

(注)
・上記金額には、入通院治療費等と休業補償などは含まれておりません。
・過失相殺はないものとします。
・上記内容の後遺障害慰謝料は、東京地判平22・5・13の原告とは無関係となります。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すれば、裁判所への代理人出廷や保険会社との交渉も弁護士が行ってくれます。交通事故のあらゆる被害で損をしないためには、弁護士に依頼されることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?慰謝料については、保険会社から費用負担が少ない示談金の提案がありますので、金額が妥当なのか?初めての事故などで、分からないと思います。こんな場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士相談費用が無料の掲載事務所を多く掲載していますのでご安心下さい。まずは、弁護士に相談しましょう!

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