東京地裁平15・1・28交民36巻1号152項

「等級表14級9号の局部に神経症状を残すもの」とは、「労働には通常は差し支えないが、医学的に可能な神経系統又は精神の障害に係る所見があると認められるもの」をいうのであり、この場合、CT・MRIなどの検査によって精神、神経障害が医学的に証明しえるとは認められなくとも、受傷時の状態や治療の経緯などから、その訴えが医学上説明のつくものであり、疼痛などの自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定される場合には、同14級10号を認定できる」

と述べたうえで、被害車両に同乗中に追突事故により頸椎捻挫等の傷害を負った被害者の上肢のしびれ感・脱力感等の症状(自賠責は非該当判断)について、CT・MRIなどの検査によって精神、神経障害が医学的に証明し得るものとは認められないが、被害者は受傷後から一貫して疼痛を訴えていること、主治医作成の後遺障害診断書があること、及び受傷時の状態や治療の経緯などを総合すると、被害者の訴える症状は医学上説明のつくものであり、故意に誇張された訴えではないとして14級に該当するものと認め、労働能力喪失率5%、5年間の逸失利益を認定した。事故前から被害者には形状性脊椎症や頸椎椎間板ヘルニア及び黄靱帯肥厚症の疾患が存在したこと等から、損害全体から20%の素因減額をした。

弁護士に依頼するメリット

上記判例では、後遺障害14級と労働能力喪失率5%、5年間の逸失利益を認定と20%の素因減額した判例です。

因減額とは、被害者が事故以前から有していた素因(心因的要因及び身体的要因)により、被害者の損害が拡大した場合において、過失相殺の考え方を類推して、被害者の損害賠償額を減額するという考え方です。
事故内容・受傷内容が軽微なものであるにもかかわらず、治療が長期化しているなどといった事情がある場合に問題となりやすいです。
なお、最高裁判所は、「被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合には、特段の事情の存しないかぎり、被害者の右身体的特徴を損害賠償の額を定めるに当たり斟酌することはできないと解すべきである。」(最判平8.10.29)として、一般人と異なる身体的特徴により損害が拡大していたとしても、必ずしも素因減額するわけではない、と考えています。
事故以前から形状性脊椎症や頸椎椎間板ヘルニアを有していた被害者のケースにおいても、減額が認められるケースと認められないケースがあり、素因減額については、具体的な事案ごとに個別具体的に判断されているのが現状です。

あくまで、「損害の公平な分担」という視点が重要です。いずれにしても、素因減額が問題となりそうな事案では、事案の正確な理解のためにも、早い段階で弁護士に相談しておくべきと言えます。弁護士に依頼されることをご検討ください。

交通事故に巻き込まれ弁護士を探す

弁護士法人えん

一般的には、弁護士に相談した場合「相談料30分5,000円」という法律事務所が多く、依頼すると高額な費用がかかってしまうというイメージをお持ちの方がいるかもしれません。弁護士法人えんでは、ご相談料が無料!しかもご相談は何度でも無料の安心料金体制を整えております。また、いざご依頼となった場合でも、着手金0円!さらに弁護士費用も後払いですので、ご安心して下さい。