東京地判平13・2・28交民34巻1号319項

嗅覚脱出を自賠責の認定どおり12級相当と認め、労働能力喪失率を後遺障害別等級表の対応喪失率以上の20%とした事例

原告(男性・固定時57歳・調理師兼料理店経営者)が、自転車で交差点に進入し、普通貨物自動車と出合い頭衝突した事故により、左側頭骨骨折、外傷性くも膜下出血、硬膜下血腫の傷害を負い、自賠責で嗅覚脱出(12級)の後遺障害を残した事例につき、嗅覚脱出の逸失利益について「原告は前示のとおり嗅覚脱出の後遺障害について12級の等級認定を受けているが、原告の職業が調理師であること、嗅覚は、素材の良否や完成した調理の風味いかんを見極める等、調理人の技術を発揮する上で極めて重要な感覚の一つであり、・・・・これを失ったことは料理人として致命傷に近い状態と評価すべきであって、右等級に相当する14%を労働能力喪失率として当てはめるのは実態に適合」しないとし、原告が料理店経営者としての側面を有し、周囲のスタッフの協力を得ながらもなお料理人としての技術を発揮しようとしていること等の事情を考慮しても原告の労働能力喪失率を20%として評価するのが相当であるとした。

労働力喪失率表

後遺障害第12級の場合、一般的の労働能力喪失率は下記では14/100となりますが、本件は14%から20%の評価となったものです。

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
第1級 100/100 第8級 45/100
第2級 100/100 第9級 35/100
第3級 100/100 第10級 27/100
第4級 92/100 第11級 20/100
第5級 79/100 第12級 14/100
第6級 67/100 第13級 9/100
第7級 56/100 第14級 5/100

後遺障害の慰謝料

第12級の後遺障害慰謝料は、下記表では、裁判所基準では290万円となります。

等級 自賠責保険基準 裁判所基準
第1級 1,100万円 2,800万円
第2級 958万円 2,370万円
第3級 829万円 1,990万円
第4級 712万円 1,670万円
第5級 599万円 1,400万円
第6級 498万円 1,180万円
第7級 409万円 1,000万円
第8級 324万円 830万円
第9級 245万円 690万円
第10級 187万円 550万円
第11級 135万円 420万円
第12級 93万円 290万円
第13級 57万円 180万円
第14級 32万円 110万円

「赤い本より」

自賠責基準は、交通事故被害者に最小限の補償をするために設けられた慰謝料の基準です。

裁判所基準は、裁判所の判例などを基に、弁護士が損害賠償請求をする際に目安となるよう作成された基準であり、慰謝料に関する3つの基準の中で高めになっています。金額はあくまでも請求の目安で、裁判もこの金額で認められるわけではないことを理解しておいて下さい。

(注)
・上記金額には、入通院治療費等と休業補償などは含まれておりません。
・過失相殺はないものとします。
・上記内容の後遺障害慰謝料は、東京地判平13・2・28の原告とは無関係となります。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すれば、裁判所への代理人出廷や保険会社との交渉も弁護士が行ってくれます。交通事故のあらゆる被害で損をしないためには、弁護士に依頼されることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?慰謝料については、保険会社から費用負担が少ない示談金の提案がありますので、金額が妥当なのか?初めての事故などで、分からないと思います。こんな場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士相談費用が無料の掲載事務所を多く掲載していますのでご安心下さい。まずは、弁護士に相談しましょう!

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