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後遺障害が残ったからといって、必ずしも後遺障害等級が認定されるとは限りません。
骨折の治療の経緯や診断結果、障害の証拠の資料などをそろえないと、認定されない場合もあります。
まずは、どの骨折の後遺障害なら、等級認定を受けられる可能性があるのか?をチェックしましょう。

該当する骨折の後遺障害について

下記の骨折による後遺障害の症状が挙げられます。

表:骨折による後遺障害の代表例
欠損障害 上肢・下肢の全て、あるいは一部を失う障害です。失われた部位の大きさによって後遺障害慰謝料が変動します。
短縮障害 下肢の長さが正常な状態のときよりも短縮する障害です。短縮度合いによって後遺障害等級が上がります。
機能障害 上肢・下肢の関節の用廃、可動域制限が生じる障害です。動かせない範囲によって後遺障害等級が上がり、慰謝料も変動します。
変形障害 骨折で骨の形が目視でわかるほど変形する障害です。本来関節ではない場所が曲がる「偽関節」という障害になります。
神経障害 骨折部位に痛みや痺れなどが残る障害です。長期間のギプス固定により、交感神経の異常が起こり、神経障害が残るケースなどが該当します。

後遺障害となった場合の後遺障害等級

骨折などで後遺障害となった場合の後遺障害等級が認定される可能性があります。

欠損障害

上肢の欠損場合

障害の程度 等級
両上肢をひじ関節以上て失ったもの
①肩関節において、肩甲骨と上腕骨を離断したもの
②肩関節とひじ関節との間において上肢を切断したもの
③ひじ関節において、上腕骨と橈骨及び尺骨とを離断したもののいずれかに該当するものをいいます
第1級3号
両上肢を手関節以上て失ったもの
①ひじ関節と手関節の間において上肢を切断したもの
②ひじ関節において、橈骨及び尺骨と手根骨とを離断したもののいずれかに該当するものをいいます
第2級3号
1上肢をひじ関節以上で失ったもの 第4級4号
1上肢を手関節以上で失ったもの 第5級4号

下肢の欠損場合

障害の程度 等級
両下肢をひざ関節以上て失ったもの
①股関節において、寛骨と大腿骨を離断したもの
②股関節とひざ関節との間において切断したもの
③ひざ関節において、大腿骨と脛骨及び腓骨とを離断したもののいずれかに該当するものをいいます
第1級5号
両下肢を足関節以上て失ったもの
①ひざ関節と足関節の間において切断したもの
②足関節において、脛骨及び腓骨と距骨とを離断したもののいずれかに該当するものをいいます
第2級4号
1下肢をひざ関節以上で失ったもの 第4級5号
両足をリスフラン関節以上で失ったもの
リスフラン関節以上で失ったものとは、
①足根骨において切断したもの
②リスフラン関節において中足骨と足根骨とを離断したもののいずれかに該当するものをいいます
第5級7号
1下肢を足関節以上で失ったもの 第5級5号
1足をリスフラン関節以上で失ったもの 第7級8号

短縮障害

下肢の短縮場合

障害の程度 等級
1下肢を5cm以上短縮したもの 第8級5号
1下肢を3cm以上短縮したもの 第10級8号
1下肢を1cm以上短縮したもの 第13級8号

機能障害

上肢の機能場合

障害の程度 等級
両上肢を全廃したもの
上肢を全廃したものとは
①上肢の3大関節のすべてが強直し、かつ、手指の全部の用を廃したものをいい、上腕神経叢の完全麻痺もこれに含まれます
第1級4号
1上肢の用を全廃したもの 第5級6号
1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
関節の用を廃したものとは
①関節が強直したもの
②関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
③人工関節・人口骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもののいずれかに該当するものをいう
第6級6号
1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 第8級6号
1上肢の3大関節の1関節の機能が著しく障害を残すもの
関節の機能が著しく障害を残すものとは
①関節の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもの
②人工関節・人口骨頭を挿入置換した関節のうち、「関節の用を廃したもの」の③以外のもののいずれかに該当するものをいう
第10級10号
1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
関節の機能に障害を残すものとは、関節の可動域が健側の可動域角度の4分の3以下に制限されているものをいう
第12級6号

下肢の機能場合

障害の程度 等級
両下肢を全廃したもの
下肢を全廃したものとは
①下肢の3大関節のすべてが強直したものをいい、3大関節が強直したことに加え、足指全部が強直したものも含みます
第1級6号
1下肢の用を全廃したもの 第5級7号
1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
関節の用を廃したものとは
①関節が強直したもの
②関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
③人工関節・人口骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもののいずれかに該当するものをいう
第6級7号
1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 第8級7号
1下肢の3大関節の1関節の機能が著しく障害を残すもの
関節の機能が著しく障害を残すものとは
①関節の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもの
②人工関節・人口骨頭を挿入置換した関節のうち、「関節の用を廃したもの」の③以外のもののいずれかに該当するものをいう
第10級11号
1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
関節の機能に障害を残すものとは、関節の可動域が健側の可動域角度の4分の3以下に制限されているものをいう
第12級7号

変形障害

上肢の変形場合

障害の程度 等級
1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 第7級9号
1上肢に偽関節を残すもの 第8級8号
長管骨に変形を残すもの 第12級8号

下肢の変形障害

障害の程度 等級
1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 第7級10号
1下肢に偽関節を残すもの 第8級9号
長管骨に変形を残すもの 第12級8号

後遺障害認定で請求できる慰謝料の相場とは

慰謝料が上がるか下がるかの画像

後遺障害に認定された場合は、その等級に応じて慰謝料が支払われます。後遺障害慰謝料の相場は、以下の通りです。

慰謝料には、自賠責保険基準と任意保険基準・裁判所基準(弁護士基準)の3つの基準があります。下記金額でも分かるように、自賠責保険基準が一番安く、裁判所基準が一番高めとなっています。

その差額は分かるように大きな差額が発生しています。

任意保険基準(各保険会社で決められていますが、明確には開示されていないが、自賠責保険よりやや高めと言われています。

後遺障害者等級 自賠責保険基準 任意保険基準 裁判所基準
第1級 1,100万円 各保険会社が独自に定めていますが、自賠責保険基準よりやや高いが、ほぼ同額がほとんどです。 2,800万円
第2級 958万円 2,370万円
第3級 829万円 1,990万円
第4級 712万円 1,670万円
第5級 599万円 1,400万円
第6級 498万円 1,180万円
第7級 409万円 1,000万円
第8級 324万円 830万円
第9級 245万円 690万円
第10級 187万円 550万円
第11級 135万円 420万円
第12級 93万円 290万円
第13級 57万円 180万円
第14級 32万円 110万円

後遺障害認定の重要な3つのポイント

後遺障害が、等級を認定されるには、下記の条件を満たしていることが必要となります。

  1. 症状固定までに6ヶ月以上の治療を要していること
  2. 定期的な医師の診断(最低1ヶ月に1回)と、整骨院を含む週3日のリハビリがあったこと
  3. 明らかな他覚的所見性があること

「事前認定」と「被害者請求」の違いをおさえよう

実は、後遺症害等級認定の申請のやり方には、2種類あります。

  • 事前認定
  • 被害者請求

事前認定とは

は、保険会社に手続きしてもらう方法で、「被害者請求」は煩雑な手続きの一切を、被害者本人で行なう方法です。

通常は「事前承認」で行なう場合が多いのですが、このやり方にはひとつ問題点があります。

審査のために提出する書類を、被害者本人がチェックできないのです。

つまり、被害者の後遺症がどれだけ重いかを立証する義務がない、保険会社に一切を任せてしまう訳です。

このため、被害者の後遺障害等級として評価するための資料が不足して、実際の症状よりも低い等級評価になったり、そもそも後遺障害はないとして後遺障害が認定されなかった(非該当)となる可能性が、無いわけではありません。損害賠償が本来もらえる額より少なくなってしまい、被害者が損をすることとなります。

被害者請求とは

被害者請求とは、被害者が加害者の加入している自賠責保険会社に直接申請し後遺障害の等級の認定を受ける方法を言います。

後遺障害等級認定に関する被害者請求に関する資料一式を加害者の加入している自賠責保険会社から送ってもらい、必要書類を記入作成し自賠責保険会社に提出します。

後遺障害等級における被害者請求のメリット

事前認定のように審査のために提出する書類を、被害者本人がチェックできませんが、被害者請求の場合提出する資料の内容及び流れが被害者自身が内容の把握ができることとなります。

また、後遺障害等級が認定されれば等級に応じた損害賠償金が自賠責保険会社から被害者に対し直接支払われますので、示談前にまとまった金額がもらえます。

後遺障害等級における被害者請求のデメリット

被害者自身が請求を行うため、提出する資料を集めたり手続きに手間を要することがあります。

認定に必要な診断書に等級内容の記載内容が不十分であったり、必要な検査や画像診断が行われていなかったりして、資料が不足している場合は、適正な後遺障害等級が認定されないケースがあります。

まとも

後遺障害等級の要件を満たすため、医師に必要な検査や書面を記入したり、レントゲンやMRI画像を撮って貰うなど被害者が積極的に資料を集める努力が必要となります。

正しい後遺障害等級を認定されるために、医師的な知識を持った弁護士に依頼されるのをおすすめします。

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